終わらない物語を君へ

 蓮がふと、小さなドールのキーホルダーを手に取った。
 「これ、工藤さんに似てる」
 その言葉に、みどりも結衣も笑った。
 「たしかに!このキラキラの目!ふわふわの髪!」
 ショーケースのガラスがきらりと光る。

 「あ!これ、店長に似てません?」
 次に結衣が指さしたのは、少し気の抜けた顔のカエルのキーホルダー。
 「たしかに……店、暇なときこの顔で微笑んでくるよね」
 みどりと結衣は吹き出し、店内に笑い声が弾けた。

 ――そのとき。

 「みどり、これ見て」
 蓮が手に取ったのは、天然貝のコンパクトミラー。
 細かい星の欠片のようなラメがきらめき、夜空を閉じ込めたようなデザインだ。

 「これ、みどりに似てる」
 「……え?」

 「透明なのに、光が当たるといろんな色に変わるんだ。見てて飽きないし、きれい」

 蓮の素直な声に、胸がどくんと跳ねた。
 (そんなふうに言われたの、初めてだ)

 「も、もう……何言ってるの。変なこと言わないでよ」
 みどりはごまかすように目を逸らしたが、
 頬はうっすらと桜色に染まっていた。

 「この店、かわいいですね!」
 結衣がうれしそうにブレスレットを手に取り、
 「これ、次のお給料出たら買おうっと!」と微笑む。