終わらない物語を君へ

「……みどり、ケチャップついてる」

 そう言って、みどりの口元を指でそっとなぞった。
 赤いケチャップが、指先に少しだけつく。

 そのまま、無意識に――ぺろりと舐めた。

「なっ……何してんの!?」
 みどりの顔が一瞬で真っ赤になる。

「ん?ついてたから」
 素直に答えただけなのに、彼女は慌てて立ち上がった。

「わ、私アイス買ってくる!食後のデザートのアイス!」

 逃げるように玄関へ向かう背中を見て、思わず笑ってしまう。

「じゃあ、一緒に行こうか」

「い、いい!一人で行くから!」

「一緒がいいよ」

 そう言って追いかけると、みどりは振り返りながら、
「もうっ……勝手にして」と顔を真っ赤にして言った。

「そろそろ手は繋ぎたくなった?」
 からかうように言うと、みどりはさらに顔を赤くして、
「ぜ、絶対だめっ!」と早足で歩き出す。