終わらない物語を君へ

 二人は駅前のスーパーに到着した。

 大きなガラスの自動ドアをくぐると、明るい照明に照らされた色とりどりの食材が並ぶ光景が広がった。

 野菜売り場の鮮やかな緑、果物コーナーの赤や黄色、パンや卵、調味料の棚まで、あらゆるものが整然と並んでいる。

「わ……すごい……」
 蓮は思わず息を漏らす。

 今までの世界では、料理は完成品を食べるものだった。食材を自分で選ぶということすら、想像したことがなかった。

「これがスーパーか……」
 彼の目はきらきらと輝き、少し緊張した手でカートの取っ手を握る。

「まずは、オムライスに必要なものから揃えようか」
 みどりはリストを開きながら、少しずつ商品を指さす。
「ご飯は冷凍してあるから…卵、鶏肉、玉ねぎ、ケチャップね」

 蓮は一つひとつの商品を手に取り、重さや色を確かめるように観察する。
「こんなに種類があるんだ……卵だけでも色や大きさが違うんだなぁ」

 みどりはその様子を見て、自然に微笑む。
 初めての買い物に戸惑う蓮の姿は無邪気で、でも真剣そのものだった。