終わらない物語を君へ

「ごめんね、私……こんな格好で。恥ずかしいね」

 みどりは、視線を落としながら小さく笑った。
 すれ違う人たちの視線が、どうしても気になってしまう。

 自分の隣を歩くのは、まるで雑誌から飛び出してきたみたいな男の子。
 比べれば比べるほど、情けなくなる。

 隣を歩く蓮の存在が、まぶしくて仕方なかった。

 けれど蓮は、立ち止まってみどりの方を見た。

「別に恥ずかしくなんかないよ」
 その声は穏やかで、迷いがなかった。
「みどりは、みどりのままでいい」

 その言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなっていく。
 みどりが顔を上げると、蓮はまっすぐに彼女を見つめていた。

「僕がみどりを選んだんだよ」

 淡々とした言葉なのに、不思議と胸の奥に届いた。