終わらない物語を君へ

「ちょ、蓮! まず服を脱いで……」
 みどりは慌てて声をあげた。

「え、脱ぐの……?」
 蓮は無邪気に首をかしげる。目の前でシャツの裾をつかむその仕草に、みどりの心臓が跳ねる。

「そ、そう! 体を洗うには……あの、服は……脱がないと……」

 顔が熱くなり、息が少し詰まる。
 目の前には、自分の想像通りに動こうとする蓮がいた。

「うーん……こうかな?」
 蓮は肩に手をかけ、ゆっくりシャツを脱ごうとする。
 その瞬間、みどりの心臓は止まりそうになった。

「ちょ、ちょっと待って!私のいないところで脱ぐの!」

 みどりは必死に手を伸ばして阻止する。

「なんで? もう……いっそのこと、みどりが洗ってくれない?」
 蓮は無邪気に笑いながら、みどりの手を取って自分の胸にそっと当てる。

「だ、だめ! 絶対にだめなの!」

 みどりは慌てて手を振り払い、顔を真っ赤にして後ずさる。
 胸の奥がぎゅっと締めつけられるようで、呼吸も乱れる。

「え、だめ……? どうして……?」

 蓮はきょとんと首をかしげる。悪気なんて全くない、その純粋すぎる目にみどりはさらに動揺する。

「だ、だって……そんなこと……は、恥ずかしいに決まってるでしょ!」

 必死に言葉を探すみどり。
 蓮は少し首をかしげて考えるも、やっぱり無邪気に笑った。

「……そっか、恥ずかしいんだね」

 その一言に、みどりの心臓はバクバク。
 想像していた以上に、距離が近すぎる。