終わらない物語を君へ

「……そ、そんなわけないでしょ!ちょ、ちょっと待ってて!」

 思わず声をあげ、みどりは部屋を飛び出した。
 頭の中は完全にパニック状態だ。

 蓮が、ページの向こうの人が、現実にここにいる――それだけでもう頭がおかしくなりそうなのに、今度は「泊まる」って!?

 少しでも冷静になるために外に出たけれど……。

 夜の街は静まり返り、目当ての店はどこも閉まっていて、仕方なくコンビニに入る。

 「……えっと、男性もの……だよね?」

 頭ではそう理解しているのに、心臓がバクバクする。

 こんな時間に男性ものの下着だけ買う女子大学生って、絶対やばいよな……。

 いや、待て。冷静になれ、みどり。

 蓮がここにいる、もうそれだけでヤバすぎる案件。
 これが例え妄想だとしても、誰にも迷惑はかけていないのだから。

 棚の前でしばらく考え込み、深呼吸する。
 心の中で「……よし、いくぞ」と呟き、カゴにパンツをそっと入れた。

 レジに並びながら、心の中でさらにツッコミを入れる。

 「……私、何してんだろ。本当におかしくなったのかな」

 そう思った瞬間、少し笑いがこみ上げてきた。

 自分のいるこの世界がわからない。

 でも、とにかく今は、目の前の“奇跡”を大切にするしかない。