終わらない物語を君へ

 片付けを終え、キッチンに置いた食器を最後に見回す。
 蓮は満足そうに微笑む。

「……ありがとう。みどりと一緒にやると、何でも楽しい」

 その言葉に、みどりの胸はぎゅっと熱くなる。
 誰かに食べてもらう喜び、手を重ねる温もり、笑い合うひととき。
 それが、この上なく尊く、かけがえのないものだと感じた。

ふと蓮の方を見て、みどりはようやく我に返る。

「え、ちょ、ちょっと待って。これからうちで一緒に過ごすってことだよね?ここに泊まるってこと……?」

 改めて考えてみてようやく、ことの重大さを知る。

「歯ブラシはストックあるけど、着替えは?布団は?何もない!」

 わたわたと慌てるみどりを、蓮は穏やかに見つめて言う。
「大丈夫。君がいるから、それで十分だ」

 みどりの顔が一気に真っ赤になった。