次の日の11時30分。
気が付けば、いつもより30分も早く購買についていて、3人ほど並んだ列の後ろに並んでいた。
「は?」
思わず自分で声が出る。
5分も経たないうちに、列はみるみる伸びていった。
前にも後ろにも人。
暑いし、だるいし、意味わからない。
けど抜けるのも癪で、そのままスマホをいじりながら待った。
30分後。
「……メロンパン2つ」
ようやく手に入れた袋を見て、またため息が出る。
俺、何してんだろ。
みどりが頼んだわけでもない。
喜ぶ保証もない。
むしろ迷惑がるかもしれない。
それでも、ポスターを見ていた横顔が頭から離れなかった。
ああいう顔、するんだな。
いつも無表情で、壁つくって、他人なんかどうでもよさそうなくせに。
欲しいものの前では、ちゃんと女の顔するんだ。
しかも、欲しいのがメロンパンって。
「……可愛いかよ」
……いや、何考えてんだ俺。
別に、みどりのためじゃない。
俺が食べたかったから、ついでに、だ。
湊は袋を鞄に突っ込んだ。


