終わらない物語を君へ

 昼休み。

 でかでかと映ったメロンパンの写真に、"12時販売開始!限定20個!"の文字が踊るポスター。

 湊は興味もなく通り過ぎようとして、ふと足を止めた。

 少し離れた柱の横に、みどりがいた。
 ただ、ポスターをじっと見ている。
 メロンパンの写真を。

 欲しいなら買いに行けばいいのに、と思った。

 でも、みどりは動かない。

 人の多い場所が苦手なんだろう。
 騒がしいところも、知らない人に囲まれるのも。

 そういうの、あいつ無理そうだよな。

 視線だけ残して、みどりはそのまま教室の方へ戻っていった。

 ……わかりやすい。

 湊は小さく息を吐いた。

 別に、だから何って話だ。

 欲しいなら自分で買えばいい。
 大学生なんだから。

 そう思ったはずだった。

ーーーーーーー

 その日の夕方。
 家でベッドに寝転がりながら、みどりにメッセージを送る。

【明日、12時 図書室】

 送ってから、数秒画面を見つめる。

 ……なんで?

 何のために呼び出した。
 湊は眉をしかめたまま、スマホを枕元に放った。

 ……まあ、いいか。 

 来ても来なくてもどっちだっていい。
 ただ、指が勝手に動いていた。
 
 少ししても既読はつかない。

「…そんなの、予想通りだ」

 湊は静かに目を瞑った。