終わらない物語を君へ

 みどりは、返信欄を開いて、一瞬だけ言葉を考える。

 ——がんばって。
 ——気をつけてね。

 そんな、当たり前の言葉なのに。

 「……?」

 向かいに座る湊が、ふと顔を上げた。

 「どうした」

 「ううん、なんでも」

 そう答えて、画面を伏せる。

 今隣にいるのは蓮じゃない。
 それがなんだか不思議だった。

 ——ちくりと胸が痛む。

 みどりは、そっとケータイを机の端に置いた。

 「続き、見せて」

 そう言って、ノートに視線を戻す。

 湊は何も聞かず、ただ静かに、みどりの手元を見ていた。

 静かな図書室で、胸のざわめきだけが、妙にうるさく感じた。