「でもさ」
一歩先を見ているみたいな目で言う。
「みどりがいない日も、バイト入れられるでしょ」
「……うん」
「それでお金貯まったら、みどりとどっか行けるし」
指を折りながら。
「ご飯だって、奢れる」
みどりは思わず足を止めた。
「そんなこと、考えてたの?」
「うん」
迷いのない返事。
「だってさ」
少し照れたように、でも真剣に。
「奢ってくれない男はだめ、ってテレビでやってたよ」
「それは」
みどりは苦笑する。
「一部の人だけだから」
視線を合わせて、ゆっくり言った。
「別に、蓮がお金ないからって、私は何も言わないよ」
「それでも」
蓮は、はっきりと言った。
「ないより、ある方がいいでしょ。この世界では」
その言葉に、返す言葉が見つからなかった。


