終わらない物語を君へ

 全部終わって、最後に連絡先登録。

「みどりの、入れていい?」

「うん」

 番号を伝えると、蓮はゆっくり入力する。

 登録完了の音が鳴った、その瞬間。

 ——ピロン。

 みどりのスマホが震えた。

【蓮:登録できた】

 思わず、隣を見る。

「……すぐそこにいるけど?」

「うん」

 蓮は少し照れたように笑う。

「でも、ちゃんと送れるか試したくて」

 ——ピロン。

【蓮:届いてる?】

 みどりは、笑いを堪えながら返信する。

【みどり:届いてます】

 すぐに。

【蓮:よかった】

 画面を見つめて、ほっと息を吐く蓮。

 その横顔は、なんだかずっと幼く見えた。

 ——連絡が取れることが、こんなに嬉しそうな人もいるんだ。

 みどりは、スマホを握りながら思う。

 隣にいるのに、言葉を送り合う。

 それだけなのに、世界が少し広がった気がした。

「これで、いつでもみどりと連絡取れるね」

 蓮はスマホを手に、嬉しそうに言った。

「授業中でも、トイレでも、お風呂でも!」

「いやいや」

 みどりはすぐに突っ込む。

「さすがにそれはやめてよ」

「え、だめ?」

「だめです」

 即答だった。

 蓮は少し残念そうにしながらも、すぐにまた顔を明るくする。