終わらない物語をキミへ

「恋愛」

――それは、私、秋月(あきつき)みどりにとって、必要のないものだった。

恋は友情を壊し、愛は家族を壊した。

恋なんて。愛なんて。いつかは冷めるでしょ?

私にはそんなものいらない。
今日もこの本さえあれば、それでよかった。

目を瞑れば、自分が小説の主人公になったように思えた。たった1人のヒロインで、その隣にはいつも彼がいた。何度も心の中で思い描いた、小説の中の彼。
想うだけで、十分だった。そのはずなのに――。

「おはよう」

彼が、目の前に現れた。

これはそんな、夢のようなお話。