「お前は間違ってる」
「…」
そっか、私が間違ってたんだ。
じゃあオカアサンも間違ってるよね?
オトウサンも
アイシタ人たちも
どうして治してくれなかったんだろうね
アイスルコが間違ってたら叱ってくれるよね
でもオカアサンは泣いてた怒ってた
「あんたなんか」って
あぁ……!
叱ってくれてたよ、忘れてた。
私に叩いて蹴って叱ってくれた!
治してくれてたね
なのに私は悪い子だね、
オカアサンが治してくれてたのに、
それは私が間違ってた。
ごめんねオカアサン
でもオカアサン最期に泣いてたよね?
なんで?
「助けてっ」って
なんで?オカアサンがなんで泣くの?
私オカアサンに笑ってほしかったんだよ
ずっと顔がゆがんでたから
「あんたのせいでっ」
だから私、悪いと思ったんだよ
だから治してあげようと思って、
少し痛いかもしれないから、
寝てるときにやってあげた。
綺麗だったよ
赤いお化粧して
キレイになってたよ
オカアサン。
でも冷たかった、
オカアサンに見て欲しくて、
鏡を持ってゆらしたけど
起きてくれなかったよね?
だから大人の人を呼びに行ったんだ
オカアサンが起きてくれないって
そしたらね
大人の人がすごく困った顔をしたんだよ
焦ってた
どこかに電話してから家についてきてくれて
オカアサンを見てくれたの。
けどね、そのヒト
「バケモノだッ」って、
「気持ち悪いッ」って、
オカアサンのこと悪く言ったの。
だから私お母さんのためにその人に怒っておいたの。
さしたらね動かなくなっちゃったの
少し怒りすぎちゃったみたい
そしたら今度はたくさんの人がきてね
私の手を繋いで
私にタオルを被せて
「少しお出かけしようか」
って。
「オカアサンハ?」
って言ったら
「少しだけ遠いところに行くよ」って
だから「ナオル?」
ってね聞いたらね、
「…きっとね」
だって
「アノ、ヒトハ?」って
聞いたらね
「…大丈夫だから」
だって。
だから私、オネエサンとお出かけすることにしたの。
カラフルなクルマに乗って
知らない場所に行ってここで待っててねって
言われたから
ずっと待ってたんだ。
