「皆さんお疲れ様です」


「いや〜、C組凄かったな」


「ゆうちゃんは転んだとこ手当しようね」


他クラスの奴らも集まって来るのが分かるけど、そんなの知らない。





ねぇご主人様。


コイツらと必要以上に関わらせようとするのって、また僕を置いて行こうとしてるからなんだよね?


西の人間とは比べようも無いくらい良い奴らなのは分かったよ。


僕の事を思って託そうとしてる事も。


僕だってご主人様の願いは全部叶えたい。





目を閉じて思い出すのは二年前の真っ白な病室で、至る所から包帯を覗かせたご主人様の姿。


あの頃のこの世からも消えてしまいそうなご主人様を僕は知ってるから。


知った上でご主人様を一人にはさせない。させたくないんだよ。


ご主人様がそのつもりなら、僕だっていい子でいるつもりはないよ。


ご主人様が消えようとしているその日まで、一緒にコイツらといてあげる。


その時にはきっと私が居なくてもいいだなんて、安心しきってるんだろうね。その上でずっと一緒に居てやるんだから。


二度と、離してやるもんか。


薄く目を開いてコイツらに視線をやる。


そして、


コイツらがご主人様を変えてくれる存在になるか、見極めてやるんだ。




形はどうあれ皆ご主人様の為に動いてる。それならこっちも僕なりに動いてみせるよ。