私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

僕達がこうなるまでにどれだけの時間が必要だったか分かる?


こいつらに対して苛立つのは仕方ないと思わない?


ご主人様もご主人様だよ。この事に自覚はあるの?


きっと無いからタチが悪い。


周りを好きなだけ掻き乱して、無自覚に自分が居ないと駄目になるように仕向けて。


何事もなかったように距離を置くんだ。


そういう面ではこいつらも可哀想だなと思うよ。同情する、ってのも本当。





いつの間にかバトンはご主人様から瑠璃川に渡る。


一番最初にバトンが渡されたけどA組とB組との距離はそんなに離せていない。


ほぼ同時にこの3組はスタートを切る。


瑠璃川に皇に水嶋。


誰が勝っても負けても可笑しくないメンツだとは思う。


ほんと、どうでもいいけど。


あんなに練習に付き合ったんだもん。結果ぐらいは見届けようと3人の姿を目で追う。


ゴール直前で3人が並ぶ。


僕とキャラ被りしてるやつを応援だなんて癪だけど、どうせ勝つならアンタがいいや。


(瑠璃川が勝ってよ・・・)





残り数メートル。





前に出たのは、





瑠璃川だった。