私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

「朔夜には出ない方がいいと言っておいたんですがね」


よく見れば出場者も各色のスペースにいる2年生も全員顔が死んでやがる。


毎年恒例なのかこれ?


案の定カレールーを引き当てた人はまだ見つからずにいるし・・・、終わるのか?


『なんと!カレールーありました!どうやらお昼に向けて用意していた生徒がいたようです!』


いやあるんかい!


自炊する気だったのかよ。


体育祭であってキャンプ場ではないんだが。


やっとゴールができ涙を浮かべる姿に周りは拍手を送る。


これには流石に私も拍手をしよう。


こんなお題も混じえながら進行されていく借り物競争。





「あ」


皇と谷垣一緒に走るんだ。


ピストル音と同時に走り出す二人。他の組と結構な距離を置いてお題が書かれてるメモの所まで来た。


・・・お世話になってるしな、変な物を引き当てないようにそっと応援しておこう。


「・・・?」


「龍二どうしたんだ?」


表情をコロコロ変え思い悩むような素振りを見せる谷垣。


まさか・・・、





「六法全書持ってる人居ませんかー!!」





そのまさかであった。


谷垣、哀れなり。


学校で六法全書なんて見つかるはずないだろ・・・。


「見つからなかった場合どうなるの?」


「これまではなんとか見つかってきましたが、これは流石に・・・」