長袖から見える指や首を見て疑問に思う。細くて簡単に折れてしまいそうなそれら。それを隠すように長袖を着る人って入院してる人とかに多いんだよね。


僕だって体が良くなくて体重が凄く落ちちゃった時は見たくなくて長袖で隠すもん。


「・・・大丈夫よ。ただまぁ、夏の間は調子が優れないことがあったりするけど」


「夏が嫌いなの?」


「そうねー。いい思い出ってあまりないし、日差しに弱い体質だからどうもね」


そう、なんだ。調子良くないんだ・・・。


なら寝れなくなったり、食べる量も減ったりすることもあるよね。


夏が過ぎたら元気になるかな?


「だけどアイツらには言わないで置いてくれる?過保護な連中だからさ」


「うん、わかったよ」


僕の気にしすぎかーって呑気に考えていたんだ。





そんな僕らを見て、朔夜くんと昴くんが、


「昴、ノラに連絡しろ」


「ノラにですか?」


「ああ、綾波の件でな」


そんなやり取りをしてるだなんて知らずに。





あの海でのやり取りからある少女について考えていた男。


ここ最近悩んでいたのは彼女のせいかと納得する藤城。


「少なくても正確にしとかなきゃいけないことがある」


藤城は頷き速やかに一つのメールを送った。


賑やかな庭を眺めながら少女は白い端末を操作する。








「・・・動くのか」


そう口にして。