昼休みも終え暖かな日差しが教室を包み込む中、黙々と黒板に書き込んでいく委員長を私はぼーっと眺めていた。


チョークの音がやたらと心地よくて寝てしまいそうなのをなんとか堪える。


休み時間に委員長からこの時間だけは起きてて欲しいと言われてしまったからである。


「えー、一週間後に体育祭があります。この時間は誰がどの種目に参加するかを決めて行きます」


チョークの粉を叩く委員長の後ろには、当日の種目がずらりと書かれていた。





旭ヶ丘は二学期に入って早々に体育祭がある。というのも文化祭のクオリティが高いとこの学校は評判なのだが、準備期間というものが他の学校と比べても長い。


そのせいでか文化祭の前後にテスト期間があるとなると体育祭は二学期のはじめ、一週間後に持ってくる他ないらしい。


「ご主人様も参加するの?」


転入後私の席の後ろに決まった皐月が肩を叩いて小声で問いかけてくる。


「そのつもりよ」


予め皆からも相談はされており、優里が出るならと了承済みだ。


「ご主人様出るなら僕も参加する」


委員長が起きていてと言ってきたのは皐月の件もあるからだろうか。ここ数日だけ見ても、皐月は私に関すること以外関わろうとしていないしな。


流石クラス委員というか。よく見ていらっしゃる。