正直見つかるのはまだ先だと思っていたしな。


「計画には支障ないわ、ある程度片してここには来てるんだから。それに協力者だっている訳だし」


「協力者?ああ、あの男?・・・水嶋とか言うやつといい、ご主人様ってばまた拾いモノして」


・・・拗ねているのかこの子は。


「でもこっちでは中々動けてないんでしょ?なら僕を使ってよ」


無駄のない動きで近寄り音も立てず床に片膝をつく。その動作を私はただ眺めていた。


そっと私の足を掴み自分の方へと寄せる。





「僕はそのためにいるんだから」





月明かりが照らす中、足の先へと口付けを落とす。


つま先へのキスは忠誠の証。こんな事教えた覚えはないんだがな。


躊躇う素振りがひとつも無いこの子に呆れを通り越して感心してしまう。


「潔癖症なのによくできるわね」


「?ご主人様に汚いところなんて無いでしょ」


兄といいとんでもない拾いモノをしたよな。


・・・後悔なんて一度もした事ないけど。


「はぁ、分かった分かった。皐月に任せるわ。ノラだって説明は済んでるし情報屋の手伝いとでも捉えてくれるでしょ」


やる事と言ってもテリトリーを離れ暴れてる西の人間の始末、またはそいつらから情報を引き出すこと。


見られたところで責められるようなものはないだろう。


タイミングよく一階から呼ばれたため皐月と共に向かう。