私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

アイツらはいつの間にか大罪人と呼ばれるようになったという認識なんだろうが、キョウだけは力というものに酷く執着している。


それはキョウの過去が原因なのかは分からない。トップであるアイツなら知っているんだろうか。


考えたって仕方ないことだしアイツの事なんざ考えたくもない。


「確かに先代の時まではこんなに絡んで来なかったらしいしねー」


「このキョウという男が原因なのか」


「赤と黒を混ぜた、血のような色の髪をしてて片目を前髪で隠してるから会えば分かると思う。あとは例のピアス全員見たのよね?あれを着けてるやつには気を付けなさい」





「新学期早々凄いことが起きたな」


「ゆうちゃんは追いつけてる?」


「な、なんとか!」


「橘は行くあてはあるのか?無いなら部屋を貸すが」


「いいわよ、責任もってうちで面倒を見るわ」


皐月だってそのつもりだったろうし。


「水嶋もいい?」


「俺は全然大丈夫。むしろそうした方が朔夜達も安心できるでしょ」


「ご主人様、今日は一緒に寝ていい?」


「んー、いいわよ」


寂しい思いをさせてしまっただろうからな。今日ぐらいいいだろう。





「いやいや!ダメじゃないか!?」


「はぁー?なんであんたにそんな事言われないといけないのさ!」


瑠璃川の言葉に噛み付く皐月。可愛いが共存してて会話がなきゃ微笑ましい光景だろうに。


それにしても瑠璃川はどうしたんだろうか。





「だ、だって!お前男だろ!?」