私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

「朔夜が決めたのであれば追求はしません。ですが皐月さんがこちらに来ている事は向こうは知ってるのですか?」


「どうだろ?もしかすると色欲あたりが情報提供してそうだけどね。そこから推測される事は大いにあると思う」


トップに忠誠は誓っていないもののアイツのいいコマだったからな。私の居場所は既に共有されてるとみていいかもしれない。


となれば皐月の向かう場所も分かってしまうわけで。


「向こうのトップについて知っておいた方がいいわね」





「西の、トップ・・・」


「トップはただの喧嘩バカだから話すなら副トップの方がいいんじゃない?」


「そうね、西の副トップを務めてるのは"嫉妬"と呼ばれてる早川 響(はやかわ きょう)という男よ。実質コイツが西の実権を握ってると言っていいわ」


「副トップが実権を握ってるというのはどういう事なんだ?」


「あの男は隙がなくてよく頭が回る。そんでもって西の力を大きくしたいと思ってるの。トップはコイツとは違ってただの喧嘩好きの脳筋だからこちらから刺激しなければ問題ないと思うわ」


刺激してしまった場合が厄介ではあるんだがな。


「こんな感じでトップは副トップの動きについて言及もしないから好き勝手やってるわけ。ここ数年で力をつけて周りの地区にまで手を出し始めたのもコイツの指示でしょ」


他の大罪人とは明確に違う点がこれだ。