私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

「・・・追いかけてきた理由はこの子よね?」


「そう、だね。俺達も二人から説明を受けたばかりだからよく分かってはいないんだけど」


「何?僕はあんたらに用はないんだけど」


「そうはいかないでしょ」


なんて説明するべきだろうか。


私の腕を抱き寄せながらお菓子を頬張るこの子を一瞥しながら頭を回転させる。


できるだけ波風を立てないような言い方は無いものだろうか。


「ああ、そういえばあんたらここのトップだよね?ならこう言った方がいい?」


「皐月やめ、」





「西の大罪人が一人、─────"暴食担当"橘 皐月」





可愛い顔をしてこれで満足?と再び食事をはじめるこの子に頭を抱えてしまう。


甘やかした私が悪いんだろうか?このピリついた空気をどうしてくれんだ。


こうなる事はヒメだって分かってただろうに!厄介事を押し付けやがって・・・!


「大罪人・・・、お前が?」


「西の人間がここに来て何しようっての?こっちはタダで返すわけにはいかないんだけど」


「・・・落ち着いてください」


皇らが止めに入ってくれてるがこの子だって喧嘩早い性格をしているのをよーく知っている。


頼むからこれ以上ややこしくしないでくれ。


「喧嘩したっていいけど今度ね。やっとご主人様に会えたんだから」


よかった・・・。


この子にはそんなつもりはないようで胸を撫で下ろす。