私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

「ヒメ!どういう事よこれ!」


理事長室の机を叩きながら問い詰める。


ヒメは分かりやすく視線を逸らすもんだからこれは黒で間違いない。


「ましろに隠し事するなんて私も心苦しかったのよ!?」


「へー?なら随分と前から皐月の事は知ってたわけね?」


「どうしましょう篠宮!?墓穴というものを掘ってしまったわ!」


「こうなる事は目に見えていたでしょうご自分で解決なさってください」


「あんたそれでも私の世話係!?解雇よ解雇!」


「私以外にこの仕事が務まるとは思えませんがね」


二学期早々とんでもない事が起きてしまった。


元凶であるはずの皐月を見れば堂々とソファに座り鞄からおにぎりやお菓子を取り出しくつろぐ気でいるし。


頭が痛い・・・。





「ましろ!どうしたんだよ急に飛び出して!」


(くそう!勢揃いしちまった!)


私だって完全には状況を掴めてないというのに・・・。


「理事長、お時間です」


「え?あ、ああ!そうだったわね!ましろ、私この後出ないといけないの。この部屋は自由に使っていいから私達はこれで!ねっ!」


「ちょ!?」


わずか数秒で理事長室から出て行った二人の背中を過去一間抜けな顔で見つめていたと思う。


篠宮さんは結局のところヒメには甘いということが頭から抜けていた。こうなる事も計画済みだったわけか。


同じように飛び出したい気分になるもののなんとか抑え部屋にあるソファへ各自腰掛ける。