私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

スマホから顔を上げれば浴衣で着飾った女が3人。歳は恐らく私よりは上だろう。


「なんでしょうか」


「あなた、さっき朔夜さん達と一緒に居たわよね?どういう関係なのよ」


学校内で絡まれる事は減ったというのに・・・。


あの男共は学校内だけではなく街中に人気があるようで。さしずめこのお姉さん方はあいつらの追っかけなんだろう。





「関係、と言われても・・・。姫と友達なんですよ」


「はっ、あの女の友達ー?あの女に似て顔だけの男に媚び売るしかできない人間が増えたってわけね」


「まったくよ。なんだってあんな女傍に置くのよ」


黙って聞いていれば言いたい放題。


私を悪く言うだけならば勝手にすればいいがどこの馬の骨かも知らんやつにあの子の事を言われる筋合いはない。


「男に媚び売るしかできない人間に成り下がってるのはそちらでは?」


わざとらしく笑って見せれば顔色を変えて睨みつけてくる。


あの子はこんなんで分かりやすく表情は変えない。その時点で負けてる事に何故気づけないのか。


ただ歳を重ねればいいってもんじゃないのに。


「・・・ちょっとあんた、失礼にも程がない?礼儀ってもんを教えてあげるわ!」


あんたらに教えて貰う礼儀なんざたかが知れてると思うんだが。


一発貰って終わるのならそれでよし。止まらないのであれば正当防衛ということで早々に終わせるまで。