私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

「居場所が欲しいだけなら用意してやるから戻って来い」


ああ、聞きたくない。


もしましろちゃんがキョウさんの手を取ってしまったら。


あたし達はもうお友達じゃいられなくなる?


また一緒に笑い合う事はできなくなる?


(そんなの嫌だよッ)








「死んでもお断りよ」








目を瞑っていたあたしは勢いよく扉の先へと視線を向ける。そこにはいつものように赤い瞳を輝かせるましろちゃんの姿があった。


(ああ、そうだよ)


他人がどうなろうと気にしない、欲に忠実な濁った瞳をした西の人。


ましろちゃんは一度だってそんな瞳をしなかったじゃない。


また、ましろちゃんの言葉に救われた。


いつだって態度や言葉で示してくれていたのに、知らない人の言葉でこんなに振り回されてあたしは最低だよ。


友達になりたいって自分から言ったくせに。


「だろうねー、俺だって頷かれても困るさ。だけど二年前に西でお前が暴れてくれたおかげでこっちはまだ戦力不足なんだよ。こっちも選り好みしてる場合じゃねーの」