私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

「それだけじゃないんでしょ」


じっとその目を見つめるけど何も言葉は返ってこずお互い無言のまま。


だけど沈黙は肯定ということ。


「ならこれだけ答えて。・・・"あの人"もここに居るの?」


どうか否定して。


さっきの言葉通り、僕とご主人様に会いに来ただけだって。そう言ってよ。


どこまでも素直で馬鹿なあいつらに隠し事なんてしたくはないけれど、それなら僕が黙っているだけでこの場は収まる。


だから、どうか。


俯いた僕に降り注がれた言葉は、





「もちろん来てるよ」





僕が望む言葉じゃなかった。


・・・そっか。


来てるんだ。この学校に。


急いでご主人様に電話を掛けるけど機械音が鳴り続けるだけ。


何かしらの形で返事が来る事もない。


ご主人様の身に何かあった・・・?


「〜ッ」


"最悪な事態"を想定して慌ててこの場を後にする。


(どうするッ、どうするッ、)


確か護衛をつけていたはずだから、そいつからご主人様の行先を聞き出せれば・・・。


とにかく急いでさっきの場所まで戻ろう。


皆の元へと戻る僕を兄さんは呼び止める事もせず、じっとただ見つめるだけだった。