私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

side,皐月


鈴原とかいう女と一緒に離れて行くご主人様を見つめる。


あんなふうに言われたら断れないじゃん・・・。


だけどさっきから胸騒ぎがしてならない。


今からでも追い掛ける?


でもわざわざああ言ったのならご主人様に何か考えがあるはず。


それを邪魔するような事があれば僕の存在意義なんて無い。





「昴、見回りの数を増やして全員が安否を確認出来る状態を保つ事も伝えてくれ。それと、」


「流星にましろさんの後を追い掛けるよう連絡済みです。あいつほどの適任者はいませんからね」


皇と藤城の会話に安堵した。


やっぱり上に立つ者だけある。


この場にいる全員が先程の空気を異質だと認識したんだ。


なら少しは安心できる?


無事に文化祭は終われる?


言い聞かせるように並べた言葉でほっと一息つこうとしたその瞬間。





「ッ!」





「皐月?どうしたんだよ」


間違えない。


間違えるわけ、ない。


今しがた横を通り過ぎた人物を追い掛けるよう振り返れば、人混みの先に高身長で深々とパーカーのフードを被った人物が目に入る。


顔なんて確認出来ないけどそれだけで十分だった。