私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

「それならリボンを一つつけてくれる?どうするかは任せるから」


ドレッサーの上に並べていた赤いリボンを優しく手に取って差し出される。


「ど、どっちにする?」


といってもどっちも同じなんだろうけど。


二つとも渡されるとは思わなかったからつい聞いちゃった。


「ふふ、好きな方でいいわよ。優里が決めて?」


何が面白かったのかはよく分からないけど、にんまりと大人びた笑みを浮かべるからすぐには決められなくてマジマジと見ちゃう。


「ちょっとましろ」


「ヒメ、いいの」


「え、えーっと。じゃあ、こっちで?」


何か違いでもあるのかな?


手に取ったリボンを確認するも、初めて会った日と同じMという刺繍があるだけ。








「参加者の方は舞台袖へ移動をお願いしまーす!」


リボンをつけ終わったタイミングで呼ばれたためましろちゃんはそっと立ち上がる。


その際に全体のバランスも確認するけれど、うん。リボンつけて正解だ。


確かに青もよく似合っててあたし達の色を選んでくれてるのは嬉しいけど、ましろちゃんはこのリボンのイメージがあるもんね。


「はい、これ」


あれ、


移動する間際、理事長からましろちゃんに渡されたものが視界に入ったあたしは驚きを隠せなかった。





「それって─────────」