私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

「これを一から?」


「デザイナー志望でね。今回はせっかくの機会だし立候補したの」


その手の業界については詳しくないが学生のうちからこんな衣装を作れてしまうのは凄くないか・・・?


衣装にそっと触れる。


これを私が着るのか・・・?


引き受けた以上はやり遂げるつもりだが本当に良かったんだろうか。


「ほーら、時間ないから着替えて!」


自問自答が繰り広げられようとしたところで衣装と共にパーテーションへと押し込められる。


「・・・」


うだうだ言ってる場合では無いな。


今度こそはと覚悟を決めて衣装に腕を通す。








「・・・完成!」


糸を切る音と共に開幕のアナウンスが流れた。


「ギリギリになってごめんなさいっ。劇の方、お願いね」


こくりと頷き舞台袖へと移動する。


舞台上では既に継母役である藤城が登場しており魔法の鏡に問い掛けるシーンへと変わっていく。


そして鏡は動物達と微笑みながら遊ぶ白雪姫を答えとし映し出す。私の登場シーンはここだ。


台本には「ここで継母は殺意を持つほど白雪姫の美しさを実感する。美しさを最大限表す!自分を女神だと思って!ここ大事!!」なんて赤文字で書かれてたが全く持って参考にならん。





・・・まぁ、やるだけやってみますか。