私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

「巻き込んでしまって申し訳ありません。朔夜も直接お願いしたかったようなのですが衣装に着替える時間と被ってしまったようで、既に準備も終えていた私が来ることに」


通話中に名前を呼ばれていたのはそういうことか。


「引き受けて頂く事は可能でしょうか」


申し訳なさそうな顔をしないでくれそういう顔には耐性がないんだよ。体育館のあちこちから視線も感じるし・・・。


劇が行えるかの状況なんだから気になるのは分かるけど。


「・・・」


攫われた時やこの前の体調不良でも恩はあるし、特に皇に関しては明日の件についても巻き込んでしまった伏し目もあるからな。


「〜っ、・・・わかったわ」


「随分悩んだねー」


「当たり前でしょ!?姫なんて柄じゃないんだからッ」


「そんなことないよ!ましろちゃんの白雪姫、絶対に素敵だと思うッ!」


「これには同意」


「お、俺も見てみたい!」


「俺も気になるなぁ」


な、なんなんだよその絶大な信頼感は。





そうやって曇りひとつない目で見るから、応えたくなるんじゃないか。





「・・・はぁ、藤城は案内して」


隠すために触れた耳は想像よりも熱くて、見られたくないがために急ぎ足でこの場から離れる。