私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

ああ大変だ。怪我をしたその子も可哀想だと思う。


だがそんな状況で呼ばれたとなれば悪い予感しかしないが?





「それでましろさんに代役を頼めないかと」





「・・・」


当たってしまった予感に頭を抱えるしかない。


何故クラスも違う私に話が来るんだ!?


「なんでそこで私なのよ!?」


「朔夜がましろさんなら台本を読んだことがあるから可能なのでは、と」


台本・・・?


台本なんて私─────────、


『ココアのお礼に読み合わせ手伝いましょうか?』


あ、あれかぁーッ!?


身に覚えがありすぎていつもは死んでいるはずの表情筋が働き渋い顔になってしまう。今なら梅干しにも負けない程のしわくちゃ加減だろう。


「一時間程で開演時間なのですが、・・・台詞など覚えていますか?」


「・・・覚えてるわ」


覚えてる。覚えてるさ。


有難い事に立ち回りや動作についてもびっしりと書き込みがしてあったから再現するだけなら人並のクオリティなら出せる、と思う。


「いいわけ?他クラスの私が」


「朔夜が呼び掛けて了承は得ています。何かあれば責任は俺が取る、とも」


流石はトップというかしっかりしてらっしゃる。