私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

妹ちゃんもこの先にある美術室へ先に入ったのか見当たらない。


これは仕組まれた状況なのか?


パチパチ、男が感心したように手を叩く音だけがこの空間に響く。


「すごいねぇ。この辺りの人達はそんなに動けるのが普通なの?」


「・・・どうだろ?運動神経いいに越したことはないけど」


「へぇ、俺はここらの人間じゃないし人並みにしか動けないから純粋に凄いと思うよ」


「どーも」


マジでこの男何がしたいんだ?こういう読み合い、みたいなことは昴の専門で俺は苦手だってのに・・・。


「そんな警戒しないで?君と話したかっただけだから」


「なんで俺なのさ?」


いやまぁ、ある程度予想はついてるけど。


この男、4区域に属さない人間だという事は分かった。なら俺達の共通点なんてましろんしか無いわけで。


「ましろの事だよ。君、あいつに拾われたんでしょ」


デスヨネー。


なんで拾われた事を?と聞くのは意味がないんだろうな。


俺達の事なんて調べた上で来ているんだろうし。


「ましろんがどうしたの」


「自分の使える駒が欲しくてましろはあの子を拾って育てた。俺は新しく使える駒を探していた時に丁度よく現れた人間なんだと思う。けど、あんたは?」