私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

『本当は高校入学と同時に通う予定だったけど、前の学校を辞めるのは簡単じゃなくて』


ふと、バーでの言葉は家の事情が関係しているのではないかと考えた。


「ふふ、滑稽でしょ?あ、薺さんの事ではないからね。あの人は私の嫌がる事なんてしないし」


「はは、分かってるさ」


ましろを羨ましいと感じたのは薺さんから愛情を注がれている姿を見たというのもあるのだから。


そんなの、疑う余地もないさ。


「欲しい言葉なんてあげられないけど、必要以上に気負う必要はないんじゃないの。自分の意思がって言うけど事実今日は抗ってみせたんだし」


「・・・うん、その通りだ」


ましろに俺の悩みも解決して欲しいだなんて、思ってもいなかった。


優里ちゃん達の救いとなってくれただけでも俺は救われたのだから。


なのにこうして、俺の心までも軽くしてくれる。





輝久さん、俺は見つけました。


求めていた希望というのを。





そこには皆と彼女が居る。





この希望を守るために、俺は自分の力を手に入れなきゃいけない。それにはこれまでのようにただ従い続けるだけじゃ駄目だ。


俺自身が、変わらないと。


希望を目の前に俺は新たな目標を誓ったんだ。