私は‪✕‬‪✕‬を知らないⅡ

俺だって行きたい。旭ヶ丘の人には沢山お世話になってるし、そんな人達が危険な目に合う可能性があるなら止めたい。


でもそれ以上に、


皆には、傷付いて欲しくないんだ。


二人の腕を握る拳に力が入ってしまう。そんな俺を見てか二人は冷静になり、村田さんが来るのを待つ。







時間にしてどれくらいが経っただろうか。


第二音楽室の扉が開かれ俺達は一斉に立ち上がる。


帰ってきたんだと喜ぶもつかぬ間、目に入ったのは全身アザや血だらけの見知った人達。


「兄貴はどうした」


最後に入ってきた副トップに冷たい声で疑問を投げかける朔夜。


なんでまだ輝久さんは来ないんだ・・・?


それに、全員が居るにしてはなにか少ないような。


「輝久は俺達を逃がすために西に残って・・・、ッ!」


そう続けた副トップの首元を締め上げる。


「お前達は、それでおずおずと尻尾を巻いて帰って来たのか?」


今までで一度も聞いた事のないような声にまるで自分に向けられたものなのではと錯覚してしまう。


「仕方ないだろ!?あいつら、武器どころか刃物まで使って!途中から化け物レベルで強い奴が来るし、ここに居る奴らはこれでも軽傷な方だッ!酷い奴は病院で診てもらってるけどどうなるか・・・」


苦痛に歪む副トップに言葉を失った。