「君!とても素敵な演奏をありがとう!いや〜ぁ、さっきからあの演奏者は誰だと聞かれて困ったものだよ」
谷垣のご両親と神崎さんが共にやってくる。
「さて。龍二、婚約発表の時間だ。一緒に来なさい」
「あの、その件についてなのですが。我々が卒業するまでお待ち頂けないでしょうか?」
谷垣を強引に連れて行こうとするご両親を神崎さんが制す。強行突破されでもしたらどうするか悩んでいたのだが、約束はしっかり守ってくれるタイプのようだ。
「か、神崎さん!?それはどういう・・・」
「この方の演奏を聞いて刺激を受けましたの。私、まだピアノの腕を磨きたいのです」
初対面の傲慢さはどこへやら。キラキラと目を輝かせこちらを見つめながら宣言するではないか。
どうやら我が強いというだけで彼女は根っからの悪人という訳ではなさそうだ。
皐月に彼女の素性を調べて貰ったが、彼女やご両親含めて悪い噂や素行については何も出てこなかったからな。
最悪の場合それらを公表して婚約破棄、なーんて考えていたが杞憂に終わったらしい。
「し、しかし!」
「旦那様・・・っ!」
「ええいっ!なんだこんな時に!」
「会長がこちらにお見えですっ・・・!」
「なっ、母さんが!?」
会長・・・?
谷垣のご両親と神崎さんが共にやってくる。
「さて。龍二、婚約発表の時間だ。一緒に来なさい」
「あの、その件についてなのですが。我々が卒業するまでお待ち頂けないでしょうか?」
谷垣を強引に連れて行こうとするご両親を神崎さんが制す。強行突破されでもしたらどうするか悩んでいたのだが、約束はしっかり守ってくれるタイプのようだ。
「か、神崎さん!?それはどういう・・・」
「この方の演奏を聞いて刺激を受けましたの。私、まだピアノの腕を磨きたいのです」
初対面の傲慢さはどこへやら。キラキラと目を輝かせこちらを見つめながら宣言するではないか。
どうやら我が強いというだけで彼女は根っからの悪人という訳ではなさそうだ。
皐月に彼女の素性を調べて貰ったが、彼女やご両親含めて悪い噂や素行については何も出てこなかったからな。
最悪の場合それらを公表して婚約破棄、なーんて考えていたが杞憂に終わったらしい。
「し、しかし!」
「旦那様・・・っ!」
「ええいっ!なんだこんな時に!」
「会長がこちらにお見えですっ・・・!」
「なっ、母さんが!?」
会長・・・?


