長らく履いていなかったヒールというものに慣れるまで数秒。


いつもより背筋を伸ばし皆の待つ場所へと向かう。





可愛らしい少女一人にイケメンの集団というのはどこに居ても目立つ。皆の姿はすぐに見つけられた。


どうやら私が一番最後らしい。


「待たせてごめんなさいね」


「うわぁ、ましろちゃん綺麗!!!」


優里が褒めてくれた私の格好はというと、ワインレッドをメインに黒いレースで胸元や腕を隠しシルエットを整えた丈の短いドレス。


丈が短いと言っても後ろの方で長さを出しているため決して子供っぽく見えない。


毛先を軽く巻いてもらい、化粧でいつもより強調された自分の顔。アイラインや口紅、そして全体を適度なハイライトで綺麗に仕上げてもらった。


普段化粧をしないため鏡に映った自分の顔はまだ慣れない。


「ありがとう。優里も世界一可愛いわよ」


そんな優里は桜色のドレスがよく似合っていた。全体的にレース多めの素材を選んだお手伝いさんには拍手を送りたい。


ハーフアップにし巻いた髪型も良く似合う。私はリボンがあるからかアクセサリーは大きめのネックレス一つなのだが、髪にはストーンを散りばめていて他にもパール素材で統一されたアクセサリーを身につけており華やかさを演出している。


春の妖精かなにかでしょうか。