｢へ、｣


一瞬目が合ったと思えばチラリと視線だけを動かすこの人。


青い瞳に白くて短い髪。


全部が当てはまらないはずなのに、あたしの身体は訴えるの。


この目の前の人は、


ノラって呼ばれるこの人は、








「────────ましろちゃん？」





その綺麗な顔に手を伸ばす。払われるつもりで伸ばした指先は頬まで伸びて包み込むかのようにノラさんが指を絡ませる。


この体温をあたしは知ってる。



ドクドクとそれは確信に変わっていって。


「ノラが綾波って・・・」


「本当か？優里ちゃん」


そんな声が聞こえるけど目の前の人から視線を外せずにいた。


そして、


あたしの声に視線を戻したこの人はにんまりと笑って聞き覚えのある声で言うの。


「優里なら、気づくかもって思ってた」


ああやっぱり。


目の前のこの人は、ましろちゃんなんだ。


どうしてここに？


情報屋さんをしてるって本当？


色んな事を聞きたいのに言葉が出ない。


ましろちゃんはフードを外してその白い髪に手を伸ばす。黙って動きを見ていればあの黒くてサラサラな星空のような髪が現れて。


「これでご納得頂けた？」


悪戯な笑みで固まった私達を見るの。





「ひとまず、移動しましょうか？」