放課後、病院行きのバスを待っていた。

歩きでも良かったけど、倒れた前科持ちだから圭太がOK出してくれなかった。

「あっ、雨…」

雨が降ってきた。今は6月。梅雨だしありえないことではない。

私は体が冷えると喘息を出しやすくなるから上着を羽織る。

ちょうどバスが来て、乗って病院まで行った。

「柚月ちゃん。検診?」

「はい、そうです。採血行ってきますね。」

顔見知りの受付の人。名前は知らないけど…

ここの病院には姉も通ってるから私は名前で呼ばれてる。

採血とピークフローを済まして待合室で呼ばれるのを待つ。

「夜宮柚月さん、診察室へどうぞ。」

呼ぶのはまたまた知り合いの看護師、安藤(あんどう)紗奈(さな)さん。

診察室に入ると、圭太が待っていた。

「採血の結果、あと少しで届くから診察だけ今しちゃうね。」

彼に丁寧に診察されて、椅子に座って紗奈ちゃんとガールズトークする。

結果が届いたと(おぼ)しき音がしたあと、彼は言った。

「問題ないよ。家で待っててね。」