素顔に花と光を

吹雪は、教室を出たあとも、あの違和感が頭から離れなかった。

本当に、彼女なのか。

そう思えば思うほど、それ以外ない気がしてくる。

部屋に戻り、スマホを開く。

もう一度、あのインフルエンサーのSNSを見た。

動画の雰囲気、手元の癖、ペールピンクの薄いネイル。

そして、今日の教室で見た彼女——望月さん。

「……DM、してみようかな」

指が、メッセージ欄に文字を打ち始める。

こんにちは、突然の連絡申し訳ありません。芹澤吹雪です。

そこまで打って、指が止まった。

もし違ったら?

もし、全然関係ない人だったら?

失礼だよな。

それに、芸能人から突然DMが来たら、驚かせてしまうかもしれない。

吹雪は、打ちかけたメッセージを消した。

スマホの画面を見つめながら、ため息をひとつ。

「……でも、気になるんだよな」

その夜、彼は眠れなかった。