素顔に花と光を

放課後。

芹澤吹雪は、自室のベッドに寝転がりながらスマホを眺めていた。

芸能の仕事で使うアカウントで、SNSを開く。

女性インフルエンサーンの投稿が目に入った。

仕事の参考にファッション系のインフルエンサーをいくつもフォローしている。

普段はあまり女性の投稿をじっくり見ることはない。

けれど、ふと目に留まった最新の動画。

顔は隠れているけれど、雰囲気からして同い年くらいだろう。

「……あれ、この感じ……」

どこかで見たことがあるような、妙な既視感。

動画の中で映る手元。

ほっそりした指、うっすらと塗っている指のネイル。

何かが引っかかった。

「仕事で会った人……じゃないよな」

記憶をたどっても、思い出せない。

でも、気になって仕方がなかった。

翌日。

教室に入った吹雪は、何気なく周囲を見渡す。

すると、窓際の端でノートを写している女子に目が止まった。

望月さん。

苗字しか知らない。

話したこともない。

地味で、いつも一人でいる。

でも——その指先に、ほんのり色づいた指先が見えた。

校則でネイルは禁止されているはずなのに、よく見ると、ペールピンクほどの薄い色で塗られたピンク色の光沢がある。

「あれ……?」

胸の奥がざわついた。 姿勢、雰囲気。

画面越しに見たあの人と、重なった。

ほとんど知らないはずなのに、なぜか目が離せなかった。