私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

お生憎とこんな事じゃ動揺はしないぞ。それに、


「ちゃんと捕まってなきゃ落ちるでしょうが。あんた、スピード狂でしょ?」


地面と頭をごっつんこなんざしたくないんでね。


「分かるのか」


「まーね。このバイク自体スピードに特化したものだしエンジンも改造してるでしょ」


このバイクを選んだ上でエンジンも改造してるなんざ相当な走りやだぞこいつ。


「この違いにはすぐ気づけるもんじゃない。お前も乗るのか?」


「たまにね。だから、遠慮は要らない」


「はっ、そりゃいい」


更に腕に力を入れればそれを合図にバイクは走り出した。
















「姫、みーっけ」




そんな私達を覗く影が居たなんて気付かずに。