私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

そこから10分程歩いた先にあるファミレスへと移動した。


お昼時から少し過ぎていたため待つことも無くすんなり通されるものの、こいつらのせいで周りからの視線が鬱陶しい。あ、そこ。ハンバーグ落っことしてますよー。


案内てくれるこのお姉さんだってチラチラとこっちを見ながら案内してるから挙動不審だし。


あ、目が合った。


顔を赤くされて逸らされたんだけど、私これ男だと思われてる・・・?


ちょっとショックかもなぁ。こちとら正真正銘の女なんだが。


奥の方へ通され、自然と第2音楽室と同じ順で席に着く。どうやらこれがお決まりになりつつあるようだ。


各自注文を終え、飲み物を取り再度席に着く。





「ましろに聞きたいことなんだけど」


空気が緊張感のあるものに変わる。


「最近、南の連中がこちらに踏み込んでくることが多くなった」


「中立を掲げている南が・・・?」


疑問符を浮かべる私に皇は黙って頷く。


「ほぼ毎日なんかしらの騒ぎを起こしてやがるんだあいつら」


「調べによると南のトップがとある女性にゾッコンだとか。その女性の影が見え始めた時期と東で騒ぎが起きるようになった時期が一致するんです」