そんな中を歩いて山口先生の横に並ぶ彼女。


「今日からこのクラスに入った綾波 ましろ(あやなみ ましろ)だ」


「綾波です」


淡々とそう告げる彼女に皆目を奪われていた。


腰まであるツインテールを赤いリボンでまとめた黒髪の彼女に、魅了された。


そんな、アニメのキャラクターのような髪型が彼女に似合う理由。それは恐ろしい程に整った顔だから。


形の整った唇に、綺麗な鼻筋、上を向く長いまつ毛で強調された一番目の引く赤いその瞳。これまでに出会った人の中で一番綺麗な人がそこに居た。


当の本人───綾波さんはこの様子に心底分からないといった表情で首をコテンと傾げる。その仕草にまたクラスが騒ぎ始める。





か、可愛い!!!!!!


うわぁ、顔小さいなぁ!ぜんぜん余白ないや。身長もあって凄くスタイルがいい。


今は座ってるから分からないけどあたしが横に並んだりしたら凄い身長差があるんだろうな。山口先生との身長差を考えるときっと170cm近くはある。


「綾波さん凄い綺麗だねっ!」


はしゃぐ気持ちが抑えられなくて顔を覗き込むように文くんに話しかけた。