私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

谷垣の手作りなのかこれ。


罪悪感が募り恐る恐る唐揚げを口にする。


「・・・どうだ?」


これは・・・。


「────だい」


「?」


「・・・おかわり頂戴っ」


「!」


「ああ!沢山食べてくれ!」


なんなんだ。揃いも揃ってそんなに嬉しそうな顔しちゃって。


これも谷垣の料理が美味しすぎるせいだ。


味付けも絶妙で出来たてでは無いはずなのに油の鬱陶しさもない。きっと出来たてだとこれ以上の美味しさなんだろう。


というかその手をいい加減止めてくれ!?おかずを盛り過ぎて山できてるから!そんなに食えないから!お前らの分無くなるから!


優里と瑠璃川どころか水嶋まで参加してるし・・・。


「俺達といる時はご飯はああいったので済むと思うなよ」


「流石に私達の周りで倒れられては敵いませんからね」


「ご飯持ってきてないってのは通じないからな。あ、おかずのリクエスト何かあるか?」


本当になんなんだこいつら・・・。


「・・・卵焼き。このだしのも好きだけど砂糖の甘いやつが好きだから。・・・たまに、食べたい、かも」


「うん。今度作ってくるな」


よしよしするなぁ!


くそう、完全に子供として見られてる。


出会った時はこんな扱いされるとは思わなかったんだがなぁ・・・。