私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

不安な顔をする優里の頭を撫でる。


数回往復すれば安心したように擦り寄ってくるのが可愛い。


「あれこれ考えて何も出来ないのって勿体ないでしょ?私も優里の傍に居たいだけ、ただそれだけなんだから」


あれこれ考えちゃうのは私もなんだけどね。


「出るわ、球技大会」


「・・・ありがとうましろちゃん」


優里に続いて他の奴らも礼を言う。・・・本当に律儀な奴ら。


むず痒くて仕方ないよ。





「つーか、お菓子ばっか食べてるとお昼食えなくなるぞ?」


私に向けた瑠璃川の発言で皆の手が止まる。


サク、


最後の部分を口に入れながら考える。


はて・・・。


「お昼食べれなくなると言われても、これがお昼なんですが?」


率直に答えれば困惑した表情で見られる。


「ま、ましろちゃん?プ○ッツはご飯じゃないよ!?」


「れっきとした食べ物じゃない」


「そうじゃなくて!?」


どうやら先ほどまで私が食べていたもの、プ○ッツはお昼にはカウントされないらしい。


何故?


いいじゃないかプ○ッツ。何がいけないと言うのか・・・。


叱る優里を宥めていれば背後から伸びてきた手に気付かず、そのまま持ち上げられてしまう。


「!?」


軽くなんてもんじゃない。足は床からだいぶ離され行き場を無くし空をさ迷っている。


「やっぱり・・・。普段から食べているのか?」


「谷垣・・・」