私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

「要件だけ言っちゃうと、球技大会に出て欲しいんだよね」


そういえば昨日委員長から言われたな・・・。


「理由は?」


「球技大会は男女別の種目だろ?その間優里ちゃんの傍に居てあげれる人が居なくてさ」


「綾波運動神経いいだろ?・・・丁度2人共種目同じだし傍に居てくれたらって俺が言ったんだ」


勝手にごめんなと瑠璃川が謝るもまったく気にしてないんだがな。


なるほど、確かに優里に対して嫌悪感を抱く女子生徒も居る中、その中に優里を1人残すのは得策じゃない。


委員長から紙を渡された時点では乗り気ではなかったものの参加するのもいいだろう。


「ましろちゃんが危ない目に合う可能性だってあるんだし・・・。あたしは見学してれば大丈夫だからさっ」


私の袖を掴み訴える優里。
どうか受け入れないでとその目は揺れていた。


優里の発言はごもっともだ。だからこそこいつらから提案しておいてどこか申し訳なさを感じるんだろう。


それでも提案したということは優里はこれまで参加出来ずにいたんだろうか?私もこいつらの立場なら機会があれば参加させてあげたいと思う。


「危険な目がどうのこうのはさて置き優里はどうしたい?」


「・・・何も考えないでいいなら、ましろちゃんと球技大会出たい」


「なら、それでいいじゃない」