夢だということなんざとっくに頭から抜けていた。
それ程までにこの状況に対して幸せを感じていたんだ。
1歩。
こいつらが導く方へ歩みを進めた。
それだけなのに、
ガッシャーンッ─────!!
先程まで傍に居た2人はその音と同時に割れたように崩れ去ってしまった。
「あっ、あっ、ああ───、」
自身の情けない声だけがこの空間に響く。
「お前、忘れたのか?」
その声の主は遠慮なんて微塵も感じさせない勢いで私の、俺の、首を締め上げる。
「てめぇっ──!、」
フードを被っているためか相手の顔は見えない。
それでもこの手や声でわかる。間違えるはずなんざありえないんだ。
殺す。
先程までの感情とは打って変わってその文字で頭が埋め尽くされていく。それ程までにこいつは、こいつだけは、
「その罪を忘れちゃいけねーよ?」
こちらの都合なんざ関係なしにそいつは赤を混ぜたその黒髪を覗かせながら笑った。
「─────っ!」
勢いよく身体を起こす。
「はぁ、はぁっ、」
汗だくになったこの身体が不快で仕方ない。
『その罪を忘れちゃいけねーよ?』
その声が未だ脳内に残る。
(忘れるわけ、ねーだろ・・・)
薄暗い自室に響く雨音。
枕元にあるスマホを操作し表示された時刻はとっくに一限目が始まっていることを知らせる。
それ程までにこの状況に対して幸せを感じていたんだ。
1歩。
こいつらが導く方へ歩みを進めた。
それだけなのに、
ガッシャーンッ─────!!
先程まで傍に居た2人はその音と同時に割れたように崩れ去ってしまった。
「あっ、あっ、ああ───、」
自身の情けない声だけがこの空間に響く。
「お前、忘れたのか?」
その声の主は遠慮なんて微塵も感じさせない勢いで私の、俺の、首を締め上げる。
「てめぇっ──!、」
フードを被っているためか相手の顔は見えない。
それでもこの手や声でわかる。間違えるはずなんざありえないんだ。
殺す。
先程までの感情とは打って変わってその文字で頭が埋め尽くされていく。それ程までにこいつは、こいつだけは、
「その罪を忘れちゃいけねーよ?」
こちらの都合なんざ関係なしにそいつは赤を混ぜたその黒髪を覗かせながら笑った。
「─────っ!」
勢いよく身体を起こす。
「はぁ、はぁっ、」
汗だくになったこの身体が不快で仕方ない。
『その罪を忘れちゃいけねーよ?』
その声が未だ脳内に残る。
(忘れるわけ、ねーだろ・・・)
薄暗い自室に響く雨音。
枕元にあるスマホを操作し表示された時刻はとっくに一限目が始まっていることを知らせる。

