私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

「綾波!この前はありがとな!」


自分の考えを否定しようにもこの声が結論付けてしまっている。


念の為その顔を確認すれば優里と同じように満開の笑顔でニコニコする瑠璃川。


・・・まじ?


どうやらあの件で懐かれてしまった様子。


流石にこうなるとは予想していなかった。チョロい。チョロいぞ少年・・・。


「おやおや、いつからそんなに仲良くなったのですか?」


「あたし達、ましろちゃん大好き隊だからね!」


「な!」


いや何そのネーミングセンス。なにも捻ってないじゃん。


・・・嬉しそうにしてるから何も言わないでおくけどさ。


瑠璃川、あんたが真っ先に絆されてどうするんだよ。あんたが一番警戒心を持ってくれると思ってたのに。何のために初日でわざとらしく絡んだんだよ。


悪態はつくもののこの小動物2人の前では無力なようで手が勝手に頭を撫でてしまっている。


2人して気持ちよさそうにするな・・・。




「ましろんが親バカ発動してるよー」


「完全に小動物2人組にやられてますね」


「誰が親バカよ!」


そんな歳じゃないわ!正真正銘お前らと同い歳だっつーの!


というかこの子達はこいつらからも小動物だって思われてるわけ?素でこれはなんて末恐ろしい・・・。