私は‪✕‬‪✕‬を知らない I

球技大会ねぇ・・・。


とりあえず受け取った紙を鞄にしまい今度こそは昇降口を出ようとしたところで横から凄い衝撃と共に抱きつかれる。


この怪力は・・・。


「ましろちゃん捕まえたー!」


振り向けば優里が顔を覗かせていた。


うっ、天使か!?


その笑顔に悶えそうになるのを必死に我慢しながら今度こそは伝えなければいけないと心に決める。


いい?優里。勢いよく突っ込んでくる時点でこっちは大ダメージなの。その上でその怪力で抱きつかれたら私は冗談抜きで死ぬわ。今は骨がギシギシ鳴ってる。だから加減と言うものを覚えて。

「何だこの天使は。可愛いかよ。その笑顔で神々しさが増している。冗談抜きで尊さで死ねる気がする。あー、特にその上目遣い。優里がその気一切ないのは承知の上だけどそれがまた心に来るッ」


「うわー、あれ考えてることと口にしてるやつが逆なやつじゃないのー?」


「あれは完全にそうですね」


「ましろは天然なとこもあるからなー」


「あれは優里オタクなだけだろ」


あんたらは黙ってろ!


そう口にしようとした所で背中から同じようにタックルされてしまう。


水嶋に藤城。谷垣に皇と来れば残りは瑠璃川な、わけ、で、あって─────。




は?


瑠璃川??????